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森言

希望に満ちた十年に向けて
財団法人愛媛の森林基金 理事
愛媛県林業研究グループ 連絡協議会 会長

増田 清 <ますだ きよし>
増田 清 理事
昨年、第32回全国育樹祭が、皇太子殿下をお迎えして盛大に清々しく開催されたことをお祝い申し上げますとともに、森林・林業関係者の御尽力に感謝しております。私も大会に関わった者の一人として、本県の森林づくりや木材利用に向けた心意気を広く全国へ発信できたのではないかと自負しております。
 
さて、二十一世紀になり、はや十年が経とうとしていますが、昨年来、世界では経済不況が発生し、わが国でも雇用問題や所得格差などの社会不安が広がり、明日の生活にも苦慮する人々の様子が毎日のように報道されています。一方、我々の山村では、過疎化・高齢化などで人口が急激に減少し、もはや集落そのものが消滅する危機的な状況を迎えており、少しでも若者に定住して欲しいと願っています。山村には戦後植栽された森林資源が成熟していますが、現在の木材価格の中では採算があわず、活用できていません。今後、経済的に森林を有効に活用するためには、高性能林業機械を導入した団地間伐の推進により生産コストを下げる必要があります。また、これと並行して林業を支える後継者の育成を進めることで、都市からの移住者も増え、山に活気が戻るのではないかと思います。
 
一方、木材の需要では光明が見え始めています。国際的な動向(中国などの木材需要の増加・原油価格の高騰・各国の資源政策・・)から、外材の輸入量は減少し、国産材に対する需要がにわかに高まっております。直近の木材需給統計を見ると、木材の自給率は全体では20%そこそこなのですが、国内での製材や合板加工用の原料としては、国産材の自給割合は60%を越え、外材よりも国産材が多く使われるようになっています。この自給割合は、平成7年が25%、そして平成17年には49%に増加していますから、国内の木材加工業は、国産材が無くてはならない状況になったと言えます。
 
これからも国産材への需要は増えると考えられますので、国産材を供給する者としては、この好機を生かして、山村を維持する経済的な基盤を作っていく必要があります。
 
具体的には、県内の森林組合系統などが行っている提案型による集約施業に取り組み、計画的な木材生産を進め、地域で生産数量をとりまとめることで、大口需要者に対して、有利な立場で販売交渉をすることが考えられます。そのためにも森林所有者・森林組合・木材生産を行う事業体・流通業など関係者が、本音で話をし、自分の利益だけでなく、林業が産業として成り立つような仕組みを作っていく必要があると思います。
 
さらに、地球レベルでの環境問題もクローズアップされ、森林の役割と木材活用がもたらす地球温暖化防止機能にも注目が集まっています。
 
世の中には、森林・林業に対する追い風が吹いていますが、森林・林業の変化や対応は遅いように思います。
 
十年一昔といいますが、今後の十年を「失われた十年」にするのか、「希望に満ちた十年」にするのか、我々森林林業関係者に課せられた大きな命題であると思います。


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